収蔵優品展 戦後日本「新しい書」のかたち
近代を迎えて芸術に位置づけられたことによって、書にはそれまでにない意味が付与され、新たな様式の開拓がはじまった。「漢字」「仮名」「漢字仮名交じり」「篆刻」「刻字」「前衛書」といった分類のおおよそは、昭和38年の第15回毎日書道展のころに完成したと見ることができる。とりわけ、それ以前には意識されることのなかった書の魅力に迫ろうとした「前衛書」の区分けは、時代の流れを象徴している。
戦前に形成され、戦後、さらに活発化した書壇のいとなみのなかで、時にはその枠組みを越えながら、書作家の活動は展開された。そうした戦後の書の評価は、いまだ揺らいでいると言える。「前衛書」の嚆矢とされる、比田井南谷「心線芸術第一電のヴァリエーション」が発表されてから今年で80年。戦後日本の書を見つめ直す好機である。
いつの時代も、真摯に書に対峙する者が、伝統的な書のいとなみの先に新しさを見出してきた。この展覧会では、当館で所蔵する前衛的な傾向の作家の作品を中心にしながら、伝統的とされる作家のなかにも芽生えた「新しさ」への希求について、幅広く理解する機会にしたい。
会期
2025年6月21日(土)-8月11日(月)
休館日
6月23日、30日、7月7日、14日、22日、28日、8月4日
開館時間
9:00~16:00(入館は15:30まで)
入館料
大人500円 高・大学生300円 中学生以下無料
主催・会場
成田山書道美術館
〒286-0023 千葉県成田市成田640
Tel 0476-24-0774 Fax 0476-23-2218
主な作品 (予定)
香川峰雲 「水」 昭和35年 1顆
香川春蘭 「秋芳」 昭和31年頃 1幅
比田井南谷「作品67-11」 昭和42年 1面
上田桑鳩 「青山近落葉」 1面
大澤雅休 「朝薺暮塩」 1面
大澤竹胎 「土まんじゅう」 1幅
中島邑水 「丘」 昭和50年 1面
千代倉桜舟「春殖」 平成元年 8曲一双
武士桑風 「神話」 平成11年 1面
田村空谷 「読まないでください」 昭和49年 1面
名久井裕三「風刻」 平成25年 1面
松本芳翠 「拈華微笑」 昭和37年 1面
安東聖空 「引潮に」 昭和32年 1幅
津田翠岱 「羅漢」 昭和37年 6曲半双
徳野大空 「草原」 昭和38年 2曲半双
青山杉雨 「九陽光」 平成3年 1面
関連事業
ギャラリートーク 予約不要・無料(要入館料)
6月22日(日)14時―15時
夏休み企画「大きな紙に大きな書!」(書道体験) 要予約・有料
7月23日(水)➀10時-11時 ②14時-15時 各回10名まで
対象:小中学生(入館料無料、体験料500円)
小学校3年生以下は、保護者の付き添い(要入館料)をお願いいたします。
申込:お電話かFAXにて、参加者および保護者のお名前、学年、電話番号、
➀と②のどちらかをお伝えください。
FAX:0476(23)2218 TEL:0476(24)0774