Loading posts...
  • 開催中

    競書40年 現代の書   (2月24日 — 4月21日)

    第40回 成田山全国競書展   (4月2日 — 4月21日)

     

     

    昭和60年にはじまった成田山全国競書大会は、このたび第40回の節目を迎えます。昭和の終わりから令和にかけてのおよそ40年の間には、数多くの魅力的な作家が活躍しました。そのなかには、競書大会の運営に深く関わった作家も少なくありません。

    書の表現は、終戦直後から昭和50年代にかけて多様化してきました。その時代を引き受け、この40年間で成熟と新たな表現へのさらなる挑戦が見られるようになりました。今回は競書大会の40年を契機に、この時代の軌跡を振り返りたいと思います。技術が深化し、多様な表現や形式が展開される「現代の書」の魅力に迫ります。

    なお一階は、4月2日から成田山全国競書展の展示となります。

     

     

    会期  2024年2月24日(土)— 4月21日(日)

    休館日  月曜日、3月25日(月)から4月1日(月)の展示替え期間

    開館時間  9時 - 16時(最終入館は15時30分)

    入館料  大人500(350)円  高・大学生300(200)円  中学生以下無料

    ※( )内は20名以上の団体料金

    主催  成田山書道美術館

    会場  成田山書道美術館

    〒286-0023  千葉県成田市成田640 ℡.0476-24-0774

    交通  JR・京成成田駅下車

    徒歩25分またはタクシー

     

    主な作品

    青山杉雨 「缶翁印文」   1983年 一幅

    村上三島 「李商隠詩」    1993年 日本書芸院役員展 一幅

    杉岡華邨 「化城と宝城」 1988年 日展 一面 ※

    殿村藍田 「仏説聖不動経」1986年 六曲半双 ※

    尾崎邑鵬 「汪広洋詩」  2022年 二曲半双

    杭迫柏樹 「桃李不言」  2008年 日展 一面

    井茂圭洞 「富士山」   2015年  一東書道会全国書道展  一面

    新井光風 「老子體道」  2012年 個展 一面

    樽本樹邨 「應詔讌曲水詩」2008年 日展 一面

    ※は成田山新勝寺蔵、他は当館蔵

     

     

     

     

  • 開催中の展覧会についてご案内

    「競書40年 現代の書」展のご紹介

     

    成田山全国競書大会は中国書法家協会や中国大使館、読売新聞社が後援し、成田山全国競書大会実行委員会が運営しています。「次代を担う青少年に書道を通じて心のやすらぎを与え、豊かな情操を養うこと」を目的に、本年めでたく第40回大会を迎えます。

     

    第1回大会は、青山杉雨、村上三島、小林斗盦、殿村藍田、広津雲仙諸先生方を顧問に迎え、上條信山先生が実行委員長を務めました。また、松田照應上人が総裁でした。歴代の運営陣の先生方は、同時代の書壇を率いてこられた先生ばかりです。この40年間の競書大会に関わった先生方の書を俯瞰することは、日本の書道史を見つめ直す機会に繋がります。

    第3回から18回大会では鶴見照碩上人が、第19回から37回大会では橋本照稔上人が会長を務めました。38回大会からは岸田照泰貫首猊下が会長を務めます。歴代の主導者の手による書幅や競書大会のご縁により生まれた書跡もご注目ください。境内の諸堂を彩る門標や扁額の原稿なども紹介しています。なかでも総門に関係する原稿は初公開。梅原清山先生による門標原稿や橋本照稔上人による「成田山」扁額原稿など、ぜひ成田詣とともにお楽しみください。

    展示壁面いっぱいの梅原清山先生による総門門標の原稿。門標より大きく感じます。
    成田山開基1070年祭で建立された総門の門標。原稿と比較してみてください。
    成瀬映山先生による「御護摩受付所」原稿。扁額の刻者は河野隆先生です。

    2階には、競書大会において顧問、実行委員長、大会事務長(訪中団長を兼ねることが多い)を務めた先生を、1階には副実行委員長を務めた先生方の作品を中心に紹介しています。現代の爛熟した書表現を幅広くご覧いただけます。日本を代表する書家の作品が目白押しです。

    右から上條信山、広津雲仙、青山杉雨、村上三島諸先生方の作品。 「主敬」はふだん成田山新勝寺光輪閣の一室にあり、一般に公開していない作品です。この機会にぜひご覧ください。
    青山杉雨によるポスターの作品。生誕180年を迎える呉昌碩の篆刻作品の言葉を題材にしています。
    平成29年に北斗文会によって編輯された印譜集より。5冊全てを展示しています。
    新勝寺奉納のために書き下ろしたという殿村藍田先生による「仏説不動経」。
    杉岡華邨先生が競書大会での訪中の際、新勝寺の鶴見照碩貫首との会話にヒントを得た題材です。出典は法華経。

    また、平成26年には30年にわたる書を通じた日中文化交流による功績が称えられ、成田山全国競書大会実行委員会が外務大臣表彰を受けました。外務大臣表彰は日本と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をし、特に顕著な功績のあった個人および団体を表彰するものです。

    岸田さんと岸田さんです。

    鶴見上人が会長を務めた間には、上條信山、杉岡華邨、古谷蒼韻、成瀬映山、尾崎邑鵬諸先生が、橋本上人が会長を務めた間には、高木聖鶴、梅原清山、井茂圭洞、新井光風、杭迫柏樹、樽本樹邨、星弘道、髙木聖雨諸先生が実行委員長を務められ、その間に日中友好の絆を繋げるバトンが渡されてきました。今回から土橋靖子先生が実行委員長を務められます。

    左は新井光風先生の個展出品作「老子體道」。右は井茂圭洞先生が会長を務める一東書道会の全国展に出品された「富士山」。
    岸田照泰貫首晋山記念として奉納された、髙木聖雨先生の「徳行」。新勝寺蔵。
    平成27(2015)年 、会長を務める正筆会の展覧会で発表した特寸の作品「旅人」。

     

    平成27年から令和3年にかけて官邸に陳列された、田中節山先生の作品「隆熾」。

     

    第40回展から実行委員長を務める、土橋靖子先生の作品「墨染」。

    さらに、1階にはこの40年の軌跡として、「漢字仮名交じりの書」や前衛的な表現、この時代のできごとを象徴するような書も紹介しています。雄大な北海道への憧れを感じさせる中野北溟先生の「まったく雲がない」など、現代の書の世界を集中して見渡せる機会となっております。

    令和4(2022)年の個展で発表した吉川蕉仙先生の作品「迷悟は隠顕の如く明暗は相離れず」。

    天彗という社名の如く、まばゆい光を感じさせる書風が際立っている中野北溟先生の作品「まったく雲がない」。

     

    なお、1階の展示は3月24日㈰まで。3月25日㈪から4月1日㈪は展示替え休館となります。そして4月2日㈫からは第40回成田山全国競書展の入賞作品が1階にて展示されます。日中の架け橋となる子どもたちの力作をどうぞお楽しみに。

     

    「競書40年 現代の書」展は4月21日まで開催中!

    競書大会のあゆみを資料で紹介しています
    歴代の会長の書作も展示中
    これまでのあゆみを断片的に伝えるパネル展示
    お子さんにご覧いただきたい名品 造像記(楷書)や曹全碑(隷書)の拓本も展示中(田近憲三コレクションより)
  • 【次展】生誕110年 歿後50年 徳野大空を中心に

    収蔵優品展 生誕110年 歿後50年 徳野大空を中心に

     

    群馬県碓氷郡後閑村(現・安中市下後閑)に生まれた徳野大空(本名輝雄)は、半田神来に師事し、群馬師範学校卒業後は群馬県碓氷郡秋間小学校に奉職しました。その年の8月には書学院の夏期講習会に参加し、一層書への志を深くしました。昭和10年には上京して比田井天来に師事、書の研究に没頭しました。天来没後は手島右卿に師事して、大日本書道院展で最高賞を受賞するなど頭角を現しました。

    第二次世界大戦後、日本書道美術院展には審査員として参加し、24年には日展で書部門初の特選受賞者の一人となるなど戦後書壇を牽引した大空は、造型的志向の強い作品や一字書などその書域を広げながら現代の書の可能性を追求しました。その追求は自ら筆や墨を制作するところにまで及んでいます。

    本展では、書の道に邁進するため決意をもって上京した頃の作品から、最晩年までの作品を一堂に展示します。60年の限られた生涯を全力で疾走した徳野大空の書業を回顧する好個の機会としたいと考えます。

     

    主催・会場
    成田山書道美術館
    〒286-0023 千葉県成田市成田640

     

    会期
    令和6年4月27日(土)―6月16日(日)
    9時-16時(最終入館は15時30分)
    休館日/月曜日(休日の場合は翌平日)

     

    出品作品
    徳野大空作品20余点、自用印20件、ゆかりの作家30余点(予定)

     

    入場料
    大人500(350)円 高・大学生300(200)円 中学生以下無料
    ※( )内は20名以上の団体料金